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~神への帰依の模様を日常からの問答から導き出します~
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高校二年のとき、兄がタバコの件で退学にさせられてから、当然ながら俺は一人で学校というものに対峙しなければならなくなった。双子の兄弟の一部の俺というのではなく、俺個人の個人性として学校に対してスタンスを決めておかなければならなかったのだ。兄の友人との兼ね合い、先生達からの見られる俺または俺が代表として俺の家を現していること。兄貴がいなくなった自身の家での状況、兄はいなくとも自分の将来、大学進学が田舎を出る手立てとなっている以上、失敗はできないという緊張感。これらは一つの大きなストレスになっていた。言葉も乱暴的になり、家の中でも父母とは話しをほとんどしない。帰ってきて勉強しなくては!と囚われてしまっている俺に父は「ただいまもいわないのか」と2時間説教されたりしたが、そのときですら、「勉強時間がなくなる」と思っていた。家庭内バランスは如実に変わっていた。この時点で、そんな中、彼女やオンナをつくることなど考える余地はなかった。

もう一つ大きな問題があった。日常的に行く学校が信用できないのだ。とにかく日本で最低ランクの進学率だったため、進学クラスとはいっても、進学校としての授業などしないのである。まったり、のんびり、緊張感のない授業。それは先生に熱意がなかったのかもしれない。ないのは先生の都合だから良いが、受験に出る英熟語や構文、国語の問題の解き方など、そんなのは自分でやれ的な授業と名のうった時間の放置だった。
学校の授業はムダと割り切り、信頼できる参考書、問題集を片っ端から調べて、書店で注文していた。小遣いは毎月3000円もらっていたが、すべてというには少なすぎる額の小遣いは参考書を買うためにほとんど使われていた。図書館へ行っては、受験のための問題集をくすねてきたりしてまで「上等な」受験指導をしてもらいたかった。田舎の高校というのは、田舎の大学の教育学部を出た新米先生の教職活動の場として使われる上、演劇に耽溺している国語の先生や、プラトニウム開発や原子力発電所、核のゴミ捨て場などができることに反対声明を掲げる共産党主義の先生がいたり、「大学は国立でないと意味がない」と言い切る先生がいたり有象無象であった。
 そんなことよりも、「授業の内容、質、密度」を上げてくれと俺は思っていた。そこで国語の時間に英語の熟語、世界史の時間に政治経済、倫理をいうように完全に高校の授業を放棄してしまった。とにかく日本の受験生の平均値まで上がらなければ意味がないのだという強迫観念はそれはすごかった。日本で最低ランクの進学率だから、経済的事情もあるためにもともと大学に行きたいという気持ちを持つものが少ないのも分かる。しかし、それにのっとった適当な進学希望者への授業は、受験に対して的を射ていなかった。
 後日談だが、浪人したものは、慶応、明治、などきちんと受かっているのだ。当時は高い学問を学ぶには自分は自ら学ぶというスタンスをとらなければならないと考えていたからだ。
 双子の俺から一人の俺への変換、進学したいのに進学できそうもない授業に一人で立ち向かう事。この圧倒的なストレスに応えようと、家に帰っても勉強を五時間すると決め受験勉強をしていたが、その中で明らかにおかしい行動をとってしまうようになっていた。
髪の毛をくるくる丸めて、ズバっと抜くのだ。

頭を抱えてしまうのではなく、何か問題を解いていてわからないで悶々としているとき、やはり髪の毛をくるくるズバっとひっぱってしまうようになっていた。
 授業中もしているし、家に帰ればまたしているし、気がついて止めても、気付いたらまたやっている。床には、抜かれた髪の毛が無数に散らばっていて、掃除をしたときに、こんなに髪の毛が抜けるのか、と驚いた。
こんなことを親に相談することも念頭になく、友人にも自分の弱みを表現もできず、前進前進とそればかりおもっていても、テスト結果もよくならず、更に落ち込み、毛も抜けて、一時は頭のてっぺんが鳥の巣のように少なく絡まっているようになってしまっていた。
 
 まぎれもない。
 
 ストレスによる事象である。

抜毛症というらしい。相当の緊張感、兄がタバコとケンカで退学し、俺は進学クラスで進学と優秀の振りを演じ続けなければならなかった。タバコなどすうはずも酒を飲むはずもない。夜中まで勉強して、運動をして(このとき俺は自身のひ弱さからウエイトトレーニングをしていた)、朝学校に行く。この連動的なサイクルは、ストレスから生まれストレスを助長し、ストレスの行動を無意識に行わせていた。親は勉強については一切言わない。叱咤激励もしない。だから、自分で決めたことは自分でケリをつける、そういう気構えがストレス障害を悪化させたのだった。

 バスケットボール部も辞め、本当に受験に専念できるように体制自体を整えられたと思って一安心しだしたら、それから髪を伸ばし始めるようになった。17歳にしてストレスと症状を抱え込んだ心はその後どうなっていくのか。



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19で双子の片割れとなる。不惑にてまだ迷い、
冥界と現実世界を行き来し、いまだに形とならない創造力が俺を圧迫して、不安にさせている。誰からの許可が要るのだろうか。
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