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~神への帰依の模様を日常からの問答から導き出します~
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現役では三流大学しか合格できなかった俺は、浪人の身となって、当初の目的とは違う形で東京の予備校の寮に入ることになる。三畳一間でエアコンは10時に切れるというような中、朝も早くから夜遅くまで良く学べた。

予備校は受験に合格するためのことだけを教えてくれるので、安心して記憶でき、問題を解くことができた。田舎の「出るのかでないのか分からないような」曖昧な知識や古い傾向などを教えてくるのと訳が違った。高校一年生から予備校が高校だったら東大にでもいけたはずだなんて軽率にも考えていた。

受験当日に熱を出したりする以外は、大学へ進学も決まり、父が決めた大崎の四畳半に住むことになり、まったく道も人もわからない本当のスタートが始まる。一年間筋トレは我慢していたから、大学に入ったら思いっきりやるぞ。バイクに乗って日本一周してやる。オンナ三昧だ。モデルのバイトをしてやるぞ。バイトして社会経験積んで生きたい。何か率先してやれることをやりたい。と意気揚々な俺は、地味にも、入学式まで、新大久保のタチンボと呼ばれる日雇いに立っていた。しかし、予備校仲間と一緒に日雇い仕事をしていたのとは違い、一人であそこにたっていても、誰も声をかけてこなかったので、そのまま帰ってきたことばかりだった。そこで、入学するまで、0123アート引越しセンターで引越しのアルバイトをすることにした。六日間で六万円近くの金になる。まずは電話を引くことだと、当時電話回線を引くのに基本金72000円が必要だったのだが、この片付けをしようと考えていたのだ。
兄と最期の面会は、母が俺の一人暮らしのために家電製品を買いに東京まで来てくれて、その時に兄を呼んで、部屋に来てもらったのがそれになってしまった。その写真は遺影になった。

俺が大学の新入生歓迎ツアーなるものに参加して、学ぶものを登録し、授業を受け初めて二週間目くらいだった。五月の連休がやってきた。S大学は附属高校からの進学者が半数近くおり、連休は「海外」に行くのが常らしく、そんなことを聞いた俺は、拍子抜けしていたものだ。自分は連休は帰省せず、東京にいてフランス語やなにやら忙しく過ごしていたのだが、当時は身体を鍛えるということを進めるために、毎日四kほど走っていた。連休があけ、七日になって大学に行こうとすると、なぜか七時四十分くらいで目が突発的に覚めた。アラームはセットしていない。「なんだろうか」と思ってまた寝たのだが、学校に行く時間になって、髪の毛をセットしようとしても何か、逆立ってしまってセットが効かない。しかたなしに、そのまま学校へ行き、夜帰ってくると、下に住んでいる大家からのメッセージがおいてあった。

「お兄さんが亡くなったという連絡がありました。すぐ電話してくださいとのことです」

19歳で受験勉強ばかりしてきた人間が、お家の不幸といわれても何もわからない。
何かもしかしたら・・・・は思うがその先が思いつかない。
電話をしてみることにした。

「兄貴が・・・・」という俺に対し、
父は
「そういうことだ。帰って来い」
それだけいって電話は切られた。

今すぐ帰らなければならない。冷静になっても、今考えても生きているはずだと思うのだが、あれは生きているのか死んでいるのか自分の目で確証したい、という衝動なんだと思う。大家から二万円かりてその日の夜の寝台列車で帰省しなければならなくなった。
その時の、大崎駅での俺の呆然とした思考状態は今でも覚えている。何もないのだ。
不安と安心したいという気持ちと、疑念と、いたずらだろうという考え、それらがすべて混交してあたまが動かなくなっている。一点先を見つめてリュックサックを背負って夜遅い電車を待っていたあの思考状態は、今抱えている無の観念とそっくりなのである。




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迷いや
自己紹介:
19で双子の片割れとなる。不惑にてまだ迷い、
冥界と現実世界を行き来し、いまだに形とならない創造力が俺を圧迫して、不安にさせている。誰からの許可が要るのだろうか。
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